BLOOD THE LAST VAMPIRE(ぶらっど ざ らすと ばんぱいあ)


2000年に公開されたデジタルアニメーション長編作品。
『BLOOD』シリーズの原典とされる。

第四回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞受賞、
第55回毎日映画コンクール大藤信郎賞受賞。

横田基地周辺で見つかったホステスの自殺死体。
だがそこには警察以外の謎の男たちの姿があった。
そして横田基地に現れた謎の転校生・音無小夜。
ハロウィンパーティの夜、事件は起きる。

北久保弘之監督。 音無小夜役に女優の工藤夕貴を迎え、本人による英日二か国語での収録を行う。


1996年、Production I.G内に発足した企画者養成塾『押井塾』。
そこは塾長である押井守が集いし若手クリエイターに自らが得た企画突破術を伝授するプロジェクト。
当時のメンバーの中に、神山健治、藤咲淳一、荒川真嗣などがいた。
毎回企画のジャンルを決め、そのジャンルに沿った内容の企画書を提出していく。
テキストは当時はパソコンは会社にあるもので、家庭にあるものではなかったが、
手書き禁止でワープロ打ちを原則。ワープロをわざわざ買うメンバーもいた。
企画書の挿絵などは、アニメーターに個人的な関係のみで発注するか自分で描く。
更に、業務時間外に企画書は制作する。つまりは本業務を妨げないことがルールとなる。
また、これは業務時間内に開催され、ここで出た企画は基本的にI.Gに帰属するという口約束の元に実施が始まった。
様々なジャンル("ヒトラー"、"犬"、"隣の~"、"家族"、"ロボット"、"スポーツ"、"怪獣"、"伝奇"、"吸血鬼")で提出されていった。
その中から、 神山の"吸血鬼"企画『LAST VAMPIRE』、
藤咲の"伝奇"企画『月光鬼譚』、
このふたつの企画書に目を止めた押井守がそれぞれの企画の内容を掛けあわせて、
BLOOD THE LAST VAMPIRE』はここで産声を上げることになる。

2011.07.19追記